「ウサギはなぜカメに負けたのか」。イソップ寓話「兎と亀」について、一般的な敗因である「過信」という解釈に対し、別の解釈を教えて頂いたのはもう20年近くも前の話、経営者として師と仰ぐ故A師匠からでした。
A師匠このお話に対し「ウサギはカメを見ていた。カメはゴールを見ていた。その違い、分かるか?」と私に尋ね、さっぱり!という私に、ウサギはカメに勝つことを目的として、油断して負けてしまった。カメは、勝敗ではなく山のてっぺんのゴールに辿り着く事を目的として懸命に歩み勝利した。この目的の違い、視点の違いが勝敗を分けたんだよ。そう訓えてくれたのです。
この訓え、未だに自分の心の根っこにこびり付いていて、忘れそうになると引っ張り出して来て、また心に落とし込んだりしています。「あいつはあんなことやっている!それに引き換え俺は…」と焦ったり「まだあそこだから、大丈夫」と、変に安心したりとかって誰しもありますよね。でもそんな時、誰かと比較していた自分に気がつかなければなりません。
「何の為に、どこに?」ゴールをしっかり見つめて、時にバカらしくなっても、ゆっくりでも歩んで行く。それは自分が掲げた、成し遂げたいゴールなんだから。
という事で、お片付けでも、経営でも、お勉強でも、カメの視点大切にしたいとまた思う秋の日でした。