新しい価値観と共にこれからの人生を描くビジョン型終活講座「俺の終活®」。その世界観を基に紹介させて頂く俺の終活的人物ファイル。お二人目は、酒田から世界に船箪笥の魅力を発信するというビジョンを掲げる、加藤渉氏をご紹介します。
山形県酒田市は、庄内地方北部に位置する古くは北前船で栄えた港町です(おしんの舞台としても有名)。かつて船箪笥(船内で使用する金庫的な役割の、沈没時浮かぶように作られた小型の箪笥。中材は桐、表面材は欅に漆塗りと非常に美しく機能的でもある芸術品です。)の三大産地の一つとして名の知れた当地で、代々伝承してきた差物(サシモノ:釘を極力使用せず、箱等を作る技術)技術によって、船箪笥等を手がけてきた加藤木工の4代目、それが加藤渉氏です。
加藤氏は1974年生まれ、ファミコン全盛の時代に氏はパソコンでプログラミングをする変わった?小学生だったと言うことでした。その興味のまま、仙台の高専でプログラミングを学び就職、様々な分野、様々な地域で活躍しながら、最先端の設計・デザインのスキルを身につけて行きます。
そして、これまで自身が培った設計・デザインのスキルを家業である差物技術と融合させたい!船箪笥を世界に発信したい!庄内の魅力を世界に伝えたい!と2019年酒田にUターン。
しかし、船箪笥を取り巻く環境は非常に厳しく、国内での需要は皆無。現代版北前船と黙し、海外への掛橋となるはずのクルーズ船はコロナで壊滅、氏の描いていたビジョンは大きく修正を求められます。
その中で今回見せて頂いたのが、調度品に止まらず、新たな機能・価値を伝統工芸と最新の設計技術を融合させて生み出した船箪笥スピーカー(写真)でした。この他にも、様々なアイディア・ビジョンをお持ちの氏が生み出して行く作品に「これいいですね〜」が止まりません。
現在逆風の中にあると語った氏ですが、どんな事があっても成し遂げたいという想い・ビジョンにはとてつもない可能性を感じました。
これからの氏の活躍・ビジョンの実現に注目して行きたいです。