終活を語る上で、生き方・死に方について想いを巡らせる今日この頃です。そんな中見つけたのが、山田五郎著 真夜中のカーボーイ(幻冬舎2020.10)。良い作品と出会うと、読み終えた時の(いわゆる○○ロス的な)置き去り感が大きいのですが、この作品もそんな感覚を覚えます。
山田五郎さんというのは、講談社Hot-Dog PRESSの編集長を務められていた方で、この作品は小説第一作とのこと。ストーリーは、定年間近の主人公の男性へ39年ぶりに高校時代の恋人から電話が入る所から始まります。【真夜中のカーボーイ】は同名のアメリカ映画(1969年公開・主演ダスティン・ホフマン他)で本作でも重要なモチーフになる作品。
私にとっては、39年ぶりに連絡をしてきたヒロインの生き様に衝撃を受け、自分自身のゴールについても新たなフェーズで考えるきっかけを頂きました。
作中の「幸せは結果ではなく過程でしか実感できない。手に入れた瞬間から日常となり、失った瞬間に思い出と化す。」そんな一文に共感し、また自身への問いかけとしても受け止めました。
人生100年時代、延びた人生をどう生きるのか。又は、全てを自分で選ぶことができる時代に、私たちは何を選び取るのか。そんなことを考えるきっかけを頂いたと感じています。「真夜中のカーボーイ」おススメです。