シェアリング・サブスクリプション全盛の時代、持たないという事が価値の一つになりました。【モノより経験】と言われ久しい世の中ですが、今日は所有する事の価値について語りたいと思います。
先日、1966年製 ホンダ S800というヴィンテージカーを運転する機会を頂きました。かのグレース・ケリーモナコ公妃も所有していたと言われる、エレガントなオープンカーです。
運転してみると、エレガントさとは裏腹にその荒々しさに驚かされます。「もっとアクセルを踏んで!踏んで!」と言われているような不思議な感覚。しかしスペックや装備を見れば、現在の車では考えられない不安全かつ、不便極まりない車。
私は、所有者であるKさんと一緒に走りながら、その匂いとか音とか、振動を通じて、この車を所有する事の喜び(コーナーを一つ曲がっただけで、ありがとうと言いたくなる)を教えて頂いたと感じています。これは【YouTubeで見るとか、本で読むとか、ググる】では絶対に感じる事のできない感動です。
そうなんです。モノを所有する事、そこには本来感動とかモノに対する敬意・感謝があったはずなのです。
なんの不便も無く全てのモノがインスタントに揃い、要らなくなれば簡単に捨ててしまう時代。そんな時代だからこそ、モノを所有することには感動と敬意・感謝が必要なのだと教えて頂いた秋晴れの日曜日でした。
写真右がKさんとS800