今日は、薪ストーブ用の薪作り第一弾。
山で切り出した木を、トラックに積んで家まで運びました。
汗だくにはなりますが、これはもう毎年の風物詩のようなものです。
この地域には、昔からこんな言葉が残っています。
「醤油や味噌は貸すが、薪は貸すな。」
はじめて聞いたときは、なんだかケチな話に聞こえました。
でも、薪というのは今日明日で準備できるものではありません。
切って、割って、乾燥させて…実際に使えるのは数年後です。
つまり薪は、“時間をかけて整える暮らし”の象徴なのです。
だからこそ、それぞれがきちんと用意しておくことが当たり前だった。
人に頼る前に、まず自分の冬を守る。それが“暮らしの礼儀”だったのでしょう。
今日積んだ薪が活躍するのはおそらく3年後の冬。
今、まだ見ぬ寒い朝を思い浮かべながら、汗をかく。
これは未来の自分と家族への、ちょっとした贈り物なのかもしれません。
備えるということ。
それは、誰かに頼らなくてもよいという、ささやかだけど誇らしい暮らしの形。
春の山仕事の先には、
ストーブの火に照らされた穏やかな時間が、きっと待っています。