○ゴミ屋が天職
ゴミ処理会社の三代目社長にして、お片づけのプロ集団アンカーズを率いる整理収納アドバイザー。しかし父からこの事業を引き継いだものの、潔癖症の為、ゴミ屋という仕事に飛び込んで行けずにいた時期がありました。そんな私にこの仕事の魅力・価値を教えてくれたのは、ある孤独死の現場でした。
まだ孤独死という言葉も馴染みが無い頃のお話。知り合いの不動産担当者から、どの業者からも断られて頼める所がないから、悪いんだけど来てくれないか?と依頼された家財整理の現場がありました。
9月の末、そのお部屋にお住まいだった方は、死後2ヶ月弱経過して発見されたため、室内には強烈な腐敗臭が立ち込め、想像を絶する有り様でした。その室内を目の当たりにし、私の中に込み上げて来たのは、『ご遺族にこの状況を見せてはいけない』という使命感でした。その時、血液が沸騰するような感覚の中で『これは俺の仕事だ!』と気がつけた事で、私の心にゴミ屋の経営者としての命が吹き込まれたように思います。
その後、遺品整理・生前整理・孤独死に対応できる家財整理の専門部隊として、お片づけのプロ集団アンカーズを立ち上げ、『人生が蘇る環境の創造』をミッションに活動をしています。
○モノは生きている
私がこの家財整理や環境改善を通じてお伝えしたいのは、そのモノは活かされているのか?そしてそのモノを活用することで、その人の人生はどう活かされるのかという事です。
人間であれば、友人・先輩・ライバル…、その関係性の中で人は変化し、磨かれて行くのが理想でしょう。モノは生きているとした時、モノと人との間柄でも同じことが言えると私は考えます。モノに愛情を注ぎ、モノと共に成長するという生き方は、人生を豊かにし、理想の未来へと誘うでしょう。
そんな人もモノも活きる環境を私は届けたい!そのために、私たちがゴミ屋として何が出来るのかを考え続けております。
・整理収納コンペティション2019年プロフェッショナル部門グランプリ受賞
・著書:アンカーズ・ヒーロー〜愛してやまないゴミ屋の整理収納〜